NHKスペシャル「ワーキングプア~働いても働いても豊かになれない」Ⅰ
7/23のNスペで取り上げたのはワーキングプア。働いているのに生活保護水準以下の収入しか得られない、まじめに働いても報われない、豊かになれない層のことを言う。その数、400万世帯といわれるが、行政も把握していないためその実態は誰にも分からない。ただ地方に暮らす人は、この傾向は肌で感じているのではないか。
それにしても「ワーキングプア」?なぜ、このような軽いカタカナ語に言い直すのか理解に苦しむ。新・低所得層とか働く貧困層でいいんじゃないの?フリーター、ニート、最近ではホワイトカラーエグゼンプションとか、ふざけたカタカナ語はいいかげん止めないか。問題の深刻さから目をそらし、罪悪感を薄める役割を果たしている。
ま、それはさておき、社会の底辺で生きる人々にスポットをあてた貴重な番組だった。1時間15分とやけに長時間なので見るのが大変だったが。経済協力開発機構(OECD)が「日本は貧困層の割合が米国についで世界で最も高い国の一つ」と発表した直後に放送したのはタイムリーだった。NHKやるね。それにしても、この人たちの受信料はせめて免除してあげてほしいものだ。
若者でも30歳をすぎるとがくんと働き口が無くなる。秋田から出てきた私と同い年の男性。34歳がヤングハローワークで仕事を探してもらえる最後の年齢らしい。しかしせっかく職を見つけたのに、この男性は住所がないために断られてしまう。確かに最近、東京では若いホームレスが増えているような気がする。誠実そうで、職を探そうという意志もあり、働いたお金はきちんと貯金している。それでも家賃は払えず、段ボールを探して都会をさまよう日々を送る。
だいたい私くらいの年齢から、不景気のアオリをもろに食らっている。もはや非正規雇用者の数は1600万人をこえる。労働者の3人に1人だ。ワーキングプアの大発生は、政府が企業に非正規雇用をしやすい環境を整えたために起きたのだろう。リストラとは、”リストラクチャリング”すなわち、”再構築”を意味するはずの言葉だが、日本では単なる首切りになってしまう。人件費を削る、下請けを叩くことでしか国際競争力をつける術を知らない大企業の経営者たち。ちょっと悲しいなあ。
貧困層の増加、先の見えないデフレ、治安の悪化、少子化、地域社会の崩壊…。これほどまでに国の未来を削りに削って、企業の国際競争力はどれほどついたのだろうか?これに加えサービス残業の合法化ですか。それでいて最も無駄と思われる大企業役員や名誉職、公務員、天下りなどの人件費に関しては、改革が遅々として進まないようだ。そして見えない社会の底辺では静かに、人間の尊厳が奪われている。
日本では、少子化への無策をみても分かるように、長期的視野に立った政策をするインセンティブが政治や行政に働かない。このままいくと、10~20年後に膨大なツケ、社会的コストを払う日がくるような気がする。
この実態をみても、日本人はまだ小泉改革を支持するのかな?来年の参院選では、かなり日本を取り巻く状況が変わっているかもしれないけどね。今日のテレビタックルでビートたけしが「よく日本人は耐えている。普通の国なら暴動が起きてもおかしくない」というようなことを言っていた。
次回、もう少し詳しくこの番組でとりあげたケースを紹介してみたい。
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Comments
去年の今頃これを放送していたら総選挙での自民党の大勝はひょっとしたら無かったかもしれませんね。
こんないい企画をやったのに未だに受信料の法的措置を取り下げようとはしないのだから残念ですが。
Posted by: Piichan | July 25, 2006 at 08:35 PM