人間性を見抜くには
昔、つきあいのあったベテランの60代カメラマンが面白いことを言っていた。いろんなロケクルーと仕事をしてきたが、ディレクターの人間性を見る上で一番分かりやすいのは、「車輌さん(つまりロケバスの運転手)」への態度なのだという。
かつては局付きの職員の車輌さんがいた時代もあったが、もちろん今はそういうことはなく、専門業者への発注である。ほとんどの場合、一度仕事すれば二度とそのドライバーと会うことはない。単に目的地まで運んでもらえばいいのであって、ロケクルーの中でその後の利害関係というのが最も無い人間だ。当たり前だが、運転手は態度が悪ければすぐにクレームをつけられ下ろされてしまうため、若造のディレクターに対しても基本的に低姿勢である。
それをいいことに、ずいぶんこうした運転手をぞんさいに扱うディレクターがいる。ロケスタッフの中では、最も実際の仕事に絡まないため、アゴで使うような態度になる。年配の人間に対して、名前も憶えようとせず、オイとか、ちょっと!とか呼びつけたりする。弁当や小道具などを買い出しに行かせたり、最後に、飲みかけのペットボトルやゴミを平気で車内に置いて帰ってしまう(ま、これはサービスのうちなののかもしれんが)。
最悪なのは、そういう先輩の態度をみて、まだ20代前半の小僧のようなADが真似をすることだ。社会人以前に、人間として失格である。
そういう態度は、出演者や取材協力者も見ているし、上記のようにきっちり観察しているベテランもいる。刹那的なつきあいにこそ、人間の本性が現れる。またそういう奴に限って、クライアントや上司など強い者には、必要以上にヘコヘコするものだ。もちろん周囲からは信頼も尊敬も得られないのだが、残念ながらそういう人間が出世することも多い。さらにプロデューサーなどに昇格した日には最悪。業者にキックバックや接待を強要したり、視聴率のために平気でねつ造する立派なバカPの誕生となる(かも)。
情報が洪水のように押し寄せるいまの時代、誰の言うことが正しくて、何が間違っているのか、よく分からなくなることも多い。しかしニセモノとホンモノを見抜くヒントは、意外と簡単なところにあるのかもしれない。
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Comments
青木雄二さんが生前言っていたのでは
「掃除をさせれば、その人間がわかる」
というのがありましたね。
Posted by: おやじです | March 23, 2007 at 12:48 AM
掃除のおばちゃんにきちんと挨拶するとか、
コンビニの店員に会釈したりとか、
冬、白い息を吐きながら車を整理する駐車場のおっちゃんに、おつかれさまですとか、
まあ、そういう周囲の人への接し方で何となく人間性ってわかりますね。
Posted by: PON | March 24, 2007 at 01:34 PM
しかたがないのではないでしょうか。
絶対的権力を持った人間が、横柄になるなんてことはよくあることです。
しかも、そういうディレクターが、出世しないのならば、誰も真似しようとはしないでしょうが、逆に出世でき、裏金をもらって羽振りがよくなるとなれば、それをお手本にする人が出てくるのは当然だと思います。
Posted by: KKMM | March 25, 2007 at 10:11 PM
KKMMさま
そういう人はできるだけ少なくなってほしいね、という意味で書きました。周囲から白い目で見られるようになれば、バカも気をつけるようになるし、バカに影響されるバカを再生産する機会も減るでしょう。
Posted by: hakohugu | March 26, 2007 at 11:23 AM